【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
(私、嫁がされてここに来たのに、婚姻していないことになっているし……)

 諸々ギルバート様側にも事情があるのだろうし、父が勝手に「嫁にもらってくれ」と言って送り込んだに等しいので、婚姻関係になっていないのは分かる。しかし、私たちの関係って何なのかな……って度々思ってしまう。使用人たちは私とギルバート様をくっつけようとしているけれど、ギルバート様ご自身がどう思われているのかな、とも思うし……。

「シェリル嬢、どうかしたのか?」

 茫然とサンドイッチを持って空を見上げていると、不意にギルバート様にそう問いかけられる。どうやら、私の手が止まったのを見て怪訝に思われたらしい。なので、私は「いえ、何でもありません」とだけ少し俯きがちに答えていた。

「何か、気になることがあるのか?」

 俯きがちにそう答えた私を見てか、ギルバート様は私の顔を覗きこられてそうおっしゃる。……正直、気になることがありすぎて、どれを問いかければいいかが分からない。……でも、やっぱり一番気になるのは――……。

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