この青空に、君と生きる未来を誓う。
第3章
悩める受験生
「陽依ちゃん、ちょっと相談があるんだけど、このあと時間ある?」
放課後、教室を出ようとした陽依ちゃんに声をかけた。
「え?」
不思議そうに首を傾げた陽依ちゃんだけど、「うん、大丈夫だよ」と言ってくれた。
「じゃあ、駅前のカフェ寄ってもいいかな」
「うん」
学校を出てカフェに向かっていると、秋を告げる涼しい風に乗ってキンモクセイの香りがした。
「相談って、なに?」
カフェに入って席に着くなり、陽依ちゃんが言った。
「……男の子に贈る誕生日プレゼントって何がいいのかな?」
「あ、もしかしてもうすぐ日向くんの誕生日なの?」
私の質問で、陽依ちゃんはすぐ相談の内容を察したみたいだ。
「うん。だから、何をあげようかなって思って」
もうすぐ、私にとって人生初の彼氏の誕生日がやってくる。
だから、事前に何をあげたらいいか相談しようと思ったんだ。
「日向くんが喜びそうなものって……難しそうだよね」
「でしょ?」
何か物をあげるにしても、夏休み中は塾通いでバイトもしてなかった私には、予算的にそんなに高価な物は買えそうにない。