この青空に、君と生きる未来を誓う。

………?

どうしたんだろう。

どこか遠くを見つめてる、寂しそうな瞳。

日向くんの瞳にはいつも暗い陰がある。
 
その理由は、軽々しく聞いちゃいけないような気がして聞けないでいるけれど。


* * *


翌日の昼休み、私は屋上でひとりでお弁当を食べていた。

日向くんは二者面談をしてるから、まだ来ていない。

この1ヶ月、昼休みはほとんど毎日日向くんと過ごしていたから、ひとりだとなんか寂しい感じがする。

そんなことを思っていたら、日向くんが来た。


「二者面談、終わった?」

「ああ」

………?

日向くん、なんだか機嫌が悪そうだ。

「先生に何か言われた?」

「ああ、いつものことだよ。授業サボるなとか、遅刻欠席するなとか」

「そう」

「今さら勉強やったからってどうせ大学行くつもりもないし、意味ないんだけどな」

「でも、お家の人は何も言わないの?」

「うちは母子家庭だから、無理して大学行こうと思ってない」

「……え……」

知らなかった。

日向くん、母子家庭だったんだ。
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