この青空に、君と生きる未来を誓う。
親友の片思い
4月も終わりに近づいてきたある日の昼休み。
お弁当を食べ終えた私と陽依ちゃんは、廊下の窓から外の景色を眺めていた。
桜の花はだいぶ散って、そろそろ葉桜の季節。
若葉の緑が太陽の光を浴びて輝いて、眩しい。
さわやかな風が、新緑のみずみずしい香りを運んでくる。
気持ちのいい、穏やかな午後。
「優羽ちゃんは、ゴールデンウィーク何か予定ある?」
「私は塾かな」
「塾? 優羽ちゃん、充分成績いいのに」
「そんなことないよ。理数系は点数あまり良くないし」
「そっか」
ふたりでぼんやり外を見ながらそんな話をしていたら、中庭で男子たちがサッカーを始めるのが見えた。
「……あ、霧谷くん」
陽依ちゃんがつぶやいた。
「どこ?」
「ほら、あの背の高い男の子の隣」
陽依ちゃんが指差した方を見ると、確かに霧谷くんがいた。
私は高1の時に同じクラスだったけど、ほとんど話したことはなかった。
サッカー部に入っていて、レギュラーメンバーで頑張っていることは知っていたけど。