先輩と後輩の関係。
33-
『ひろに聞いた?』
「聞いてない」
『家にいれば、旦那さんだし…お店に行けば先輩としての切り替えがわからなくて。舜から美容師としての気持ちを聞いてたから応援してあげたくて、舜に伝えるのも…』
「それが怒ってた理由なの?」
『舜からしたらちっぽけかもしれないけど…私からしたら、大きな悩みなんだよ』
「ちっぽけだとは思わないけど、可愛いな」
『それに、何かお店にいる舜ってどこか遠くて、距離があって…どこか行きそうで怖い』
「どこにも行かないけど…」
『凛と別れたら誰と結婚するつもりだったの?』
ついつい、意地悪したくなってしまった。
もう、雰囲気は仲直りした感じ。
その質問を聞いた舜は笑っていた。
私も泣くことなく、舜に落ち着いて伝えることができて、自分も成長したなと思う。
「これから探す」
『最近、モテモテだもんね』
「そういえば、ひろから一つだけ聞いたよ。」
『何?』
「凛は俺のことをすんごい愛してるってこと」
『愛してるのに違う人と結婚するって言われちゃうからどうしようもないよね』
「まじでそいつ、最低だな」
『本当最低』
「ちゅしてみる?」
『舜がしたいだけでしょ?』
「そう」
素直でよろしい。
私の後頭部に手を置いて、私が逃げないようにまぁまぁ激しいキスをされた。
逃げるつもりはないけど…
むしろ、今は私も求めていた感はある。
こんなに数日間、キスをしなかったことがなかったから…してもしても物足りなくて止まらなかった。
『なんで、舜と結婚したんだろう』
「優しいし、かっこいいし…」
と、自分で言うから吹き出してしまった。
『自分で言わないで』
「恋は盲目だね」
『笑わせないで』
「俺は真剣だけど」
そう言って、キスしてきたり…くすぐってきたりしてちょっかいを出してくる舜。
仲直りにはたまらない時間だった。
喧嘩はしたくないけど、我慢しすぎるのも良くない。
『好き』が先行しがちだけど…ちゃんと向き合う時間も作らないとね。