【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
 コルネリアさまとの一件から、数日が経ち。私は平和な日々を過ごしていた。

 ラインヴァルトさまともしっかりと向き合えるようになり、それ相応に楽しく過ごしている。

 ……もちろん、彼の愛情表現にちょっと戸惑うことは、多い。

 あとは、そうだ。私は、次期王太子妃としての教育を受けることが決まった。本格的なものは婚約してから……ということになってはいるのだけれど、準備段階のものということ。

(……私、本当にラインヴァルトさまと結婚するの?)

 けど、私にはまだいまいち実感がわかない。だって私、彼の求婚を受け入れるなんて返事、していない気がするのだもの。

「これが、外堀から埋められているということなのかしら……?」

 ぽつりとそう零して、王城の廊下を歩く。

 手に持った数冊の本は、王城にある図書館から借りたものだった。

 初めは気を紛らわせるために読んでいたのだけれど、今では進んで読んでいる。……案外、面白かったから。

 主に読んでいるのは、国の地理や歴史をはじめとしたもの。あと、他国の文化とかそういうものが載ったものも読んでいる。

 面白くて、夢中になって。結果的に本を読んで夜の時間を過ごすことも度々出てきた。……そのたびに、ミーナに怒られているのだけれど。

「そういえば、ラインヴァルトさまが新しい本が入ったと教えてくださったわね」

 ふと、そんなことを思い出す。

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