捨てられ令嬢ですが、一途な隠れ美形の竜騎士さまに底なしの愛を注がれています。
「ヴィリがいるでしょう」
「悩みの種である張本人に相談するなんて、できるわけないわよ」

 私はほかでもないヴィリバルトさんとのことを悩んでいるのだ。

 彼の過保護な態度や、私の気持ちが迷惑かどうか。

 そもそも、直接言ってしまえばすべて解決できる。言えないから、他者に相談しているのだ。

「ヴィリバルトさんに言ったら、全部解決するのはわかっているの。ただ、言えないだけ」

 もし、言ってしまって「迷惑だ」と返されてしまったら?

「拒絶されたら、どうかかわったらいいかわからなくなる」

 絶対に今の関係は終わってしまうし、私が今までと同じように彼とかかわることなどできなくなる。

「私だって本人に直接聞けるのなら、聞きたいわ。でも、今の関係を壊したくない」

 適度な距離の共同生活。将来的にこの関係が終わるとしても、今はまだこのままでいたい。

 ……贅沢、なんだろうな。

「関係など壊しても問題ないでしょうに」
「壊れるのは一瞬。だけど、築くのは大変なの。特に良好な関係っていうのはね」

 ギードは私の言っていることがわからないらしく、首をかしげていた。
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