捨てられ令嬢ですが、一途な隠れ美形の竜騎士さまに底なしの愛を注がれています。
夜。食事の後片付けを済ませ、ソファーに座って静かな時間を過ごす。
手元のカップにはハーブティーが入っている。このハーブティーを飲みながら、ヴィリバルトさんから借りた本を読むのがいつしか日課となっていた。
日によって読む本のジャンルは変わるものの、ほとんどが伝記や冒険物の物語。男の子が好むものばかり。
「まだここに居たんですね」
上から声が降ってきて、顔をあげる。
そこにいるのは分厚い本を何冊か抱えたヴィリバルトさん。彼が持つ本につづられた文字は読めない。というか、この国のものじゃない。
「はい。これだけ読んでしまいたくて」
あと少しでこの巻が終わるし、今ちょうどいい場面なのだ。一気に読んだほうが、爽快感がありそうだし。
「そうですか。少し、ご一緒しても」
どこかばつの悪そうなヴィリバルトさんに向かって、了承の意味を込めてうなずく。
彼は私と距離を置いて、ソファーに腰かけた。