捨てられ令嬢ですが、一途な隠れ美形の竜騎士さまに底なしの愛を注がれています。
 長い前髪の隙間から覗きこむ瞳は、変わらずキラキラしていた。一目見たら忘れることなどできないほどに美しい。

「謝らないでください。それに俺は、あなたからたくさんのものをもらっていますよ」

 ヴィリバルトさんの手が私の手を取る。私の片手を彼の両手が包み込む。

 優しい手つきはまるで私を壊れ物だと思っているみたい。……私は可愛げがないのに。

「あなたと過ごす日々はとても新鮮で、楽しい。俺はそれだけで十分です」
「そんなのは」
「あなたと一緒に過ごせるだけで、幸せなんです。これ以上望んだら、罰が当たってしまいます」

 どうして、ヴィリバルトさんはこんなにも優しいのだろう。

 私のことを大切に扱って、優しくしてくれて。今までずっと『可愛げがない』と言われ、バカにされてきたのに。

「あなたはきれいです。凛としていて美しい。だから、自分に自信をもって」
「そんなこと言うのは、ヴィリバルトさんだけです……」
「それは周りがあなたの魅力にまだ気づいていないだけですよ。でも、俺だけが伝えることができる今はなんだか心地いいです」

 茶目っ気を含んだ話し方に、笑ってしまった。

 私が笑ったのに気づいてか、ヴィリバルトさんは口元を緩める。

 今、彼がどんな表情をしているのかは見えない。けど、とても優しい表情をしているのだろう。
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