捨てられ令嬢ですが、一途な隠れ美形の竜騎士さまに底なしの愛を注がれています。
 私とヴィリバルトさんの喧嘩もどきから一週間が経ち。

 互いの考えを伝えあったためか、私たちの距離は以前よりもぐっと近づいた。

 ……もちろん、恋愛的な意味じゃなくて、同居人という意味。うん。

 同時に私は自分の中にある気持ちから目を逸らしていた。

 目をそらさないと、抑えきれなくなってしまいそうだったから――。


「もしよかったら、明日、一緒に出掛けませんか」

 私の苦しみや葛藤を知らないヴィリバルトさんは、いつも通りの態度で私をお出かけに誘う。

「先日買い出しには行きましたけど……」
「今回は買い出し目的ではありません。単純に俺がメリーナさんと出かけたくて」

 どうしてこう、彼は勘違いさせるようなことを言うのだろう。

 ヴィリバルトさんは本当に口がうまい。私にしか言わないと彼は言うけど、それが余計に勘違いを生むと知らないのか。

「先日実家からこれが送られてきたんです」

 見せてもらったのは、ある劇のチケットだった。しかも、プレミアの個室席。
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