捨てられ令嬢ですが、一途な隠れ美形の竜騎士さまに底なしの愛を注がれています。
「両親が行くつもりで席を取っていたらしいんですが、母が足首をひねったらしくて。今回は見送るから、代わりに行かないかって」
「……私と行くよりも、ほかの方と行かれたほうがいいのでは」
私はあまり劇に詳しくない。こういうものは、劇が好きな人と行ったほうが楽しめるのではないだろうか。
そちらのほうが、感想だって語り合えるだろうし。
「もしかして、観劇などはお嫌いで?」
「そういうわけではありません。ただ、特別好きというわけでもなくて……」
最後に劇場に行ったのだって、もうずっと昔だったと思う。
母に強引に連れていかれた劇は社交界で流行っていたものだった。しかし、あまり興味が惹かれず、私は退屈だった。
演者や演出、脚本が悪いわけじゃない。たぶん、私の好みに合っていなかったのだ。
「最後に観劇したのも、もうずっと前ですし。それも私の趣味というより、母に強引に引っ張って行かれたみたいなもので」
苦笑を浮かべた私を見て、ヴィリバルトさんはなにを思ったのだろう。
彼はチケットを見つめて、表面を軽く指でなぞった。
「……メリーナさんは、劇についての知識を持っていますか?」
突然の問いかけにぽかんとする。首を傾げた私に対し、ヴィリバルトさんは真剣な口調で続けた。
「……私と行くよりも、ほかの方と行かれたほうがいいのでは」
私はあまり劇に詳しくない。こういうものは、劇が好きな人と行ったほうが楽しめるのではないだろうか。
そちらのほうが、感想だって語り合えるだろうし。
「もしかして、観劇などはお嫌いで?」
「そういうわけではありません。ただ、特別好きというわけでもなくて……」
最後に劇場に行ったのだって、もうずっと昔だったと思う。
母に強引に連れていかれた劇は社交界で流行っていたものだった。しかし、あまり興味が惹かれず、私は退屈だった。
演者や演出、脚本が悪いわけじゃない。たぶん、私の好みに合っていなかったのだ。
「最後に観劇したのも、もうずっと前ですし。それも私の趣味というより、母に強引に引っ張って行かれたみたいなもので」
苦笑を浮かべた私を見て、ヴィリバルトさんはなにを思ったのだろう。
彼はチケットを見つめて、表面を軽く指でなぞった。
「……メリーナさんは、劇についての知識を持っていますか?」
突然の問いかけにぽかんとする。首を傾げた私に対し、ヴィリバルトさんは真剣な口調で続けた。