イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない
わざわざクッキーまで作って、俺のところに改めて謝りに来るなんて。
いい子なんだなって思った。
「ちょっと、これ見てよ。さっきいきなり、1年の子にもらったんだけど」
そんな話し声がしてそちらを見ると、昨日俺に告白してきたツインテール女子が、俺がさっきもらったものと全く同じクッキーの袋を持っていた。
怜央の妹……確か名前は依茉だって、前に怜央が言ってたっけ。
あの子、俺だけでなくツインテール女子にもちゃんとクッキー渡して謝ったんだな。
「ていうか、よく知らない子が作ったものなんて、怖くて食べられないよね。あの子には悪いけど、これ捨てちゃお」
そう言って、クッキーを教室のゴミ箱に持って行こうとするツインテール女子の姿が教室の窓越しに見えた。
俺は慌ててその子の元へと走っていき、クッキーを持つ彼女の手首を咄嗟に掴んでしまった。
「えっ、一堂くん!?」
「これは、俺の親友の西森の妹が作ったものだ。だから、捨てるなんて勿体ないことだけは絶対にしないで欲しい」
「は!?」
いきなりこんなことを言われても困るだろうけど、どうしても見て見ぬふりはできなかった。
「そのクッキー、俺もさっきもらって食べたけど。めっちゃ美味かったから、食べないと人生損するよ」
それだけ言うと、俺は教室を出ていく。
俺が教室から廊下に出た頃、「ほんとだ。このクッキーすごく美味しい」という声が聞こえてきて。
俺は思わず、頬がゆるんだ。