イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「あれ? 慧くん、わたし……ケーキは頼んでないよ?」

「そのケーキは、可愛い依茉ちゃんに俺から特別にサービス」


 え……!


「俺が仕事終わるまで、それ食べていい子で待ってて」


 慧くんが唇に人差し指を添え、パチンと片目を閉じる。


 い、いい子って……!


 ケーキなんてなくても、慧くんのためならわたしは、2時間でも3時間でもいくらでも待てるのに。


 だけど、慧くんのその気持ちが嬉しい。


「慧くん、ありがとう」

「いいえ。それでは、失礼します」


 慧くんはわたしに一礼すると、颯爽と仕事へと戻っていった。


「んー、美味しい」


 わたしは、慧くんがサービスしてくれたガトーショコラを口にし、優しい甘さにほっぺが落ちそうになる。


 今日初めて、カフェでバイトする慧くんの姿を見ることができて。


 彼のかっこよさや優しさを、改めて感じて。


 この短時間で、わたしの中で慧くんへの好きって気持ちが、また一段と大きくなった。


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