α様は毒甘な恋がしたい
「ねぇ美心ちゃん。目覚めるときに叫んでいたけど、前世の記憶も蘇ったのかしら?」
「ぜっ、前世ですか?」
「あなたが生まれ変わる前の人生よ。目の前で無残に息絶えた、可愛そうなツチノコがいたでしょ?」
「……えっと……ツチノコ」
「店主が振りかざした斧で真っ二つにされたって、私は聞いているわ」
あっ!
目覚める直前、確かに私の脳内スクリーンに現れた。
手のひらに乗るくらい小さい、ヘビみたいに地面をはう不思議な生き物。
ヒョウタンを真っ二つにしたように、頭と背中がふくらんでいて。
土に同化しちゃう茶色い体に、真ん丸でウルウルの瞳がはめ込まれていて……
「いつも怒ってばっかりの……」
「あの子の毒舌拡声器っぷりは、前世から引き継いでいるようね。そういうところ、嫌いじゃないから一緒にいたんだけどな」
あの子って……誰?