α様は毒甘な恋がしたい

「それで、どうなったんですか?」

「敵国に進む途中、うずくまって泣いている女の子がいて。12歳くらいかな? 心配になるじゃない? だから私が声をかけたの。どうしたのって。そしたら……」


 そしたら?


「その女の子から、甘ったるい匂いが放たれて。強烈なフェロモンが私たち騎士団を包み込んで。みんな苦しそうにうずくまり出してしまった。裏切りオメガと聖女でオメガの私以外、すべての騎士がね」

「それって……ヒート……テロ……」

「アルファたちは、強烈なオメガフェロモンに充てられてしまった。そこからは地獄でしかなかったわ。我が国の騎士団が剣も握れないほど弱っている間に、敵兵に囲まれて。私の目の前でバッサバッサ切られていったの。我が国の王子の首も、あっけなく吹き飛んでしまったわ」

「祈さんも……その時に?」

「騎士団と一緒に天国に行けていたら、生まれ変わってまで前世の恨みを抱え込むことはなかったんじゃないかしら」

「一体……何が?」
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