α様は毒甘な恋がしたい

 祈さんが、腕と足の縄をほどいてくれたことだし。

 この部屋のドアを出たら、全力で走ろう。

 祈さんが言う、安全な場所まで……って。


「身の安全の確保か。この地球上のどこに、そんな場所があるんだろうな?」


 ひゃっ!!

 ……こっ、ここここっ、この人は!!


 ドアの前。

 スッと現れたのは、真っ赤な髪がギラつく男性。

 腕を組み、ドアにもたれかかり、死んだような目でうすら笑いを浮かべている。


 ドアの開閉はなかった。

 なのにどうやって入ってきたの? 

 私が瞬きをしたコンマ1秒の間に、現れたような気がしたけど……


「……ルキ」


 悪魔と対面するように、絶望顔を浮かべる祈さん。

 私を守る騎士のよう。

 サッと私の前に出て、両手を広げた。

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