腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー


 「ゲップしないし、オナラもしない!」と顔を真っ赤にして怒る和歌に、「あら! 私、お父さんのオナラ凄く嫌だったわ。それで喧嘩になったことも数え切れないほどあるのよ!」と言い出した。


 和歌も、「お父さんのオナラって超くさいよね、わかる」と頷いていた。


 お母さんは俺に「お父さん、単身赴任でほとんど家にいないのよー」と笑っていた。どことなく寂しそうに見えるのは、気のせいではない気がする。


 なにより、「ベリが丘って良い街よねー、綺麗で、品が良くて。まるで別世界だもの。テレビでよく見るわー」と、ベリが丘の街を羨ましそうに語っていた。


「俺の母親は、俺が高校生の時に男を作って家を出て行きました。俺、母親に反抗ばかりして、親孝行をした記憶ってなくて。親孝行たくさんすればよかったなって、自分自身を悔いていたことに最近気づいたんです」


 俺の話に、和歌も正座をして真剣に聞いてくれている。


「だから、親孝行させてくれませんか? 俺達と一緒に……いえ、お母さんが同居が嫌なら一緒じゃなくても、少し離れでもいいので、ベリが丘に越してきませんか?」


 俺の問いかけに和歌が口を開いた。


「私、ずっとお母さんが心配だったの。この間もここら辺で強盗があったらしいし、お母さん一人でここで生活して、何かあったらどうしようって思ってたの」

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