腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
「……私も、いいの?」
お母さんは「あなた達と暮らせるなんてこんなに嬉しいことないわ。そんなこと言ってもらえるなんて」と、また泣き出した。
和歌はお母さんの背中を摩っている。
「……というか、私、暖と結婚する流れになってない?」
鋭い質問を俺にぶつけた。
そのままの流れで結婚に持って行ってくれてよかったのに。
尚人が銀行から引き下ろした五百五十万円が入った封筒を和歌とお母さんの前に置く。
「結婚したくないのなら、どうする? この金で、かかった弁護士費用払うか?」
「お金はちゃんと支払いたい。これで足りるかな」
和歌は俺に封筒を返してきた。
「まあ、足りるっちゃ足りるけど……おまえ、俺と結婚する気ねぇの?」
「そ、それはそれ。これはこれでしょ! さっき尚人と婚約破棄したばかりなのに、すぐに誰かと結婚なんて考えられないよ!」
「誰かじゃねぇ。俺だ! 俺と、結婚するんだ」
年甲斐もなく意地になる。
高校の時、和歌に想いを伝えられなかったことをずっと後悔していた。告白しても付き合えないと、分かっていたから告白できなかった。
でも、今は違う。今は俺にも可能性があるって思えている。