腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
「誰もおまえに欲情しねぇから心配すんな!」
「や、やだ! 絶対やだ! 尚人以外に裸見せないって決めてるの!」
低レベルな言い争いを繰り広げていると、
「暖先生、もしかしてその方、三十分後に無料相談の予約されているお客様ですか!? だめですよ、失礼なことしたら!」
真島くんは焦った様子で、私と暖を引き剥がした。
三十分後に予約が入っているなら邪魔はできない。お風呂と洋服を借りて、洗濯が終わったらさっさとここから出て行こう。
いくら暖と犬猿の仲でも、仕事の邪魔はしたくない。
「違う、こいつは俺の……高校の時の同級生」
暖は一瞬言葉を詰まらせ、茶色の革のソファーに腰掛けた。
こんな状況だけれど、改めて真島くんに自己紹介をする。
「えっと、真島さん、初めまして。暖のクラスメイトだった有栖川和歌と言います。暖とは高校のときずっと隣の席で……」
暖が言葉を詰まらせたように、私も言葉を詰まらせる。
いくらなんでも『犬猿の仲でした』なんて言えない。