腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
10.憧れた街で募らせた想いを愛する人と



 ◆


 ぶーちゃんの件は示談で解決できたらしい。


 慰謝料も親御さんにもだしてもらい、ぶーちゃんが納得いく金額を頂けたと言っていた。


「ただなあ……真島も磯部もうるせぇ! ストーカー女もぶーちゃんもドン引きしてただろうが!」

 帰ってくるなり、二人して暖に怒られていた。

「仕方ないですよー。あのストーカー女、カズを見て目ギラギラさせてましたもん! あっし、ほんっとにイラついてー」

「分かります! 僕も同感です! あのストーカー女、反省の色ゼロでしたもん。また、ストーカーする気満々でしたもん」


 真島くんがパラリーガルのメンバーとして戻ってきて、暖の法律事務所は前より俄然やる気に満ち溢れていた。


 そんななか、ベリが丘で行われる大規模な花火大会が開催される日も残り数日と迫っていた。


 花火大会の日まで暖はバタバタと慌ただしくしており、ついに花火大会当日を迎えた。

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