腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
「…………できてないし、そのことは考えたくない」
「考えたくないって、ここ出てどこいく気だよ」
「尚人と住んでるマンション……」
「おまえ、正気?」
私の発言で、暖の表情が曇っていくのが分かる。
顔を合わせれば喧嘩ばっかりで、高校の三年間は犬猿の仲だったんだから、今更近づいてこないでよ。
「暖には関係ないでしょ」
「おまえ、彼氏と別れたらベリが丘からいなくなるんだろ」
「そうなったら行くところないし。実家に戻ったら親に怒られるつもり」
――私は自分の為だけじゃない。早く結婚してほしい親の為にもなんとか結婚しなければいけないんだ。
暖は口を閉じて、また私の顔をジッと見つめた。この、なんでも見透かされているような瞳で見つめられると、自分に嘘がつけなくなってしまいそうで、惑わされる。
「慰謝料、ふんだんに取ってやる。だから、俺を選べ。俺は宝石並みに価値がある」
突拍子もないことを言う暖。
その言葉に、私も真島くんでさえも言葉を失う。
…………俺を選べって、どういうこと?