腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
「え!? そんなことより、依頼はどうなったんです!? カズ、クライアントになりましたか? もしかして、アンタまた帰したんじゃないでしょうね!」
「ああ? その、クライアント様にも頭の整理させなきゃいけないだろ! それに、この街の法律事務所は俺のとこだけじゃないんだし、他をあたりたいかもしれないだろ」
「もー! なんでそんなに呑気なんですか! カズ奪われても知りませんからね!」
「はいはい、仕事、仕事ー!」
真島の背中を押しつつ、仕事部屋に戻り、別の案件に取り掛かる。
「真島ー、ネットの誹謗中傷、どこまで割り出せた?」
「あー、まだ全然ですー、もう、多すぎますって」
「この案件はでかいんだから、頑張れよー」
「もう、ここから何人、開示請求しなきゃいけないんですかー!」
小言を言いつつ、頑張ってくれる真島を見ながら、俺も気合いを入れて頑張る。
パソコンでひたすらカタカタと仕事をしていると、「ただいま戻りました」と、和歌の声が聞こえた。
俺の事務所に「ただいま」と帰って来てくれることが、新鮮で嬉しい。和歌の顔を見れることが唯一の楽しみになっていた。