腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー
私がぶーちゃんと名を出すと、真島くんは「もー和歌さんまで、ぶーちゃん呼び!」と、つっこみを入れた。
キッチンに向かい冷蔵庫を開けると、箱に入った状態でいちごとチョコショートケーキが人数分入っていた。とても美味しそうだ。
さっそくケーキを取り出し、仕事部屋に冷たいコーヒーとケーキを運ぶ。暖と真島くんのデスクにそれぞれ置いた。
「和歌、今日、仕事どうだった?」
暖から声を掛けられ足を止める。心配かけさせたくない。あと半月、私が耐えればいいだけだ。
「あ、うん。いつも通り。あと半月だけこの事務所に厄介になるけど……ごめんね」
出ていきたくない感情を、笑顔でカバーする。真島くんは不安気に、
「え、和歌さんどこか行くんですか?」
私に問いかける。
「今月末で櫻坂にあるジュエリーショップの仕事辞めるから。暖の事務所にいる意味もなくなるし、そうしたら実家に帰るつもり」
「えー、寂しくなりますねぇ」
真島くんは私が出ていく事実を惜しみながら、いちごのショートケーキをフォークで刺し、口に運んだ。
「和歌は、ベリが丘にいたいんじゃねぇの?」
暖が何か言いたそうな目で問いかけてきた。
「え、うん……でももう、そんなこと言ってる場合じゃないし……」