腹黒弁護士に囚われて、迫られて。ー輝かしいシンボルタワーで寵愛されていますー


 尚人に来週の日曜日はベリが丘に行けることを伝えると、「分かった」と、返事がきた。


 大好きだった尚人に対しての感情は、今は抱いていない。私は薄情者なのだろうか、暖の言う通り、元からそんなに好きではなかったのだろうか。


 ただこの半月、尚人のことを考えないでいられたのは、暖と真島くんがいてくれたから。


 二人がいてくれたから、気を紛らわすことができた。


「暖、私、この半月尚人のことをあんまり考えることなく過ごせたの。だから、そんなに焦らなくても大丈夫だよ」


 この半月、忙しく働いていた暖を身近で見てきた。抱えている案件がたくさんある。一人の弁護士が対応するキャパシティをあきらかに超えている気がする。


「この半月バタバタしてて、和歌には申し訳なく思ってる。俺は早く和歌の件をスッキリさせたかった。けれど、和歌の案件は真島には手伝わせない。見返りは俺だけのものだから」


 未だに明かされない見返り。何なのかも検討がつかないけれど、暖が私に望むことは叶えてあげたい。





 ――午後になり、ぶーちゃん、いや、BUSAのカズがやってきた。


「部狭山様、お待ちしておりました」


 事務所のドアを開け、ぶーちゃんの顔に目線を向ける。派手な見た目から、ぶーちゃんがぶーちゃんとは思えない。


 ぶーちゃんに対しての接し方が分からない私に、ぶーちゃんはニコッと微笑んだ。


「有栖川、久しぶり」

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