65リットルよりも、笑って。




「大丈夫だ、ゆっくりでいい」



斑鳩先生に助けられながら、私は立ち上がる。


自分ひとりで歩くことすらできなくなった18歳の娘を見て、あなたは何を思うだろう。


止まってるんじゃない?

あなたのなかで私は、8歳のままで。



「……おげんき、そうで」



お母さん、とか。

どう言えばいいっていうの。


親戚の家に娘を預けて、数日で帰ってくるとか言って、迎えにくるって約束しておいて、ぜんぜん帰ってこなかったね。


あなたにとっての数日は────私にとって長い長い、10年でした。



「…大きく…、なった…」



病気だから会いにきてくれたんだ。

もし私が病気じゃなかったら、彼女は会いに来てはくれなかっただろう。


なにを責めればいいの。

病気を責めたって仕方ないから、とりあえずあなたを責めてしまっても大丈夫?


ドクン、ドクン、ドクン。


“大きくなった”なんて、一丁前に母親らしいことを言われたことで無性に腹が立った。



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