65リットルよりも、笑って。
「っ、来なくていーから…ッ!!」
母親に近づこうとしたもののガクッと膝を折り畳んでしまった私に、医者たちは駆け寄ってこようとするけれど。
彼の動きさえ、私は止めた。
「あるける、から…、ひとりで…歩かせてよ、」
歩きたいのに。
目の前にあるゴールに、ぬくもりに、ただ飛び込んでしまいたかっただけ。
なにが私を拒絶しているんだろう。
どんな思いが、そうはさせてくれないの。
まるでひれ伏すように、私は泣いていた。
「っ、……ぅ、…ああ……っ」
抱きつけもしない。
手を伸ばすことすら、できない。
お母さんと呼ぶことも難しい。
「ああぁぁああああーーー……ッ!!!」
お母さん、おかあさん、……ママ。
私ね、もうすぐ死ぬんだって。
ママ、わたしね、しぬんだって。
誰の叫び声だか自分でも分からなくなるほど、吐き出すように叫ぶみたく泣くしかできなかった。
ぐっとこぶしを握ることすら上手くできない。
這いつくばるように生きるしか、もう今の私にはできそうにないんだって。