65リットルよりも、笑って。
「おか……、めぐみ、さん」
母親じゃない腕のなか。
母親以上の安心を感じられるようになった、腕のなか。
もう「お母さん」とも、呼ばないほうがいいね。
残されたあなたがどうか少しでも穏やかに過ごせますように。
「わたしは、しっかり……生きて…、しっかり……死んで…いき、ます」
その言葉を聞いて崩れ落ちたのは、美子ちゃんだった。
これね、私の格言なんだ。
“しっかり死んでいく”
自分の命の終わりをしっかり見つめることもまた、命あるものの義務であり役目なんだって思えるの。
お母さん。
私がいなくなったあと、お墓にカーネーションを飾ってやってください。
そうして娘のあたまを撫でるみたいに、気が向いたら墓石を少しでも撫でてくれたら嬉しいです。
私は幸せに、しあわせに、死んでいきます。
泰斗くん。
私は、あなたに出会うために生まれてきた。
あなたの優しさを味わうために、今生きている。
これこそ私の人生の────素敵な後付け。
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