65リットルよりも、笑って。
「ペンギンの前にまず飯だな。向こうにレストランがあるから行ってみるか」
話すことはあまり得意ではなかったが、今度は俺が名前をたくさん呼んで話す番。
いつもおまえはペラペラといろんな話を持ちかけてくれていたが、そろそろ聞く側に回りたいんだよな。
なゆが退屈しないよう、俺は移動のときもずっと話しかけ続けた。
「ママ、あのひと赤ちゃんみたい!食べさせてもらってる!」
「ちょっと…!そーいうこと言わないの…!障害を持ってる人なんだからっ」
障害を持ってる人だから、なんだ。
障害を持ってる人だから、なんなんだよ。
動物園に来てはいけないか。
変に気をつかうほど、異常か。
こいつがどんなに一生懸命、強く強く生きているか、生きてきたか、それを知ったならそんなふうにすら言えないはずだ。