65リットルよりも、笑って。
「なゆちゃん、」
「あ、ごめんねおばさん。いろいろ分かった?」
「あるだけ詰めてきたわ。また何か欲しいものがあったら言って」
「…うん。ありがとう」
着替えだったり充電器だったり。
春海お姉ちゃんからのお下がりでもある修学旅行でも使ったボストンバッグに、おばさんが荷物を詰めて戻って来てくれた。
急な入院となって、お互いに慣れないことばかりだ。
なんとテレビを見ることさえお金が発生するらしく、私はぜったい見ないと心に誓った。
「家にあるものじゃなくても、なにか欲しいもの……ある?」
「…ないよ。じゅーぶん!」
「…そう」
わりと嫌かも。
こうなったからって優しくされるの。
今までも別に無下に扱われたとか、そういうのはなかったとしても。
厄介者ではあったでしょ、実際は。
それがもっと厄介なことになっちゃって、本当にごめん。
「なゆちゃん、学校のほうは…」
「やめるよ。…好きなこと、したいかも」
「……わかったわ」