65リットルよりも、笑って。
「……前は、ごめん」
「…俺も悪かった」
「……え」
驚きよりも、すぐに苛立ちのようなものが追いかけてくる。
これも病気の症状だと甘えてしまえるのだから、本当に皮肉な話だ。
「…病気だからって、余命があるからって、急に優しくなっちゃってさ」
「……そうじゃない」
「そうじゃん。いいよ罪悪感なんか感じなくて。だから…お給料は払われるだろうから、しっかり仕事してください先生」
仕事として、私の命を見送ってくれたらいいよ。
仕事として大嫌いなクソガキのお世話をしてくれたらいい。
皮肉しか言えない私を気にかけることなく「あのとき頭押さえてただろ」と、言ってきた。
「気にはなっていたが、大丈夫だろうと過信したんだ俺は。…それは完全に医者として失格行為だった」
「…いーよ。どーせ結局は同じことだっただろうし」