65リットルよりも、笑って。




ひどいと思ったのは、そこじゃない。


そのあと間宮さんをバッサリ振ったそいつは、なにも言わずに転校して行ったらしい。

転校するから振ったのだとしたら、とんだヘタレだ。


でも、それもまた違うこと。



「あとから知ったの。その子ね、いじめられていたんじゃなく病気だった…って」


「…びょうき…?」


「…うん。私のために、“自分もいじめられてる“って嘘をついてくれていたらしくって」


「どんな病気だったの…?その子、」


「重い心臓病を抱えていて、遠い病院に入院することが前々から決まってたみたいでね。…私が高校1年生のとき、その子のお母さんから直接教えられたのよ」



亡くなったお知らせと一緒にね───、


1本の小説や映画にするなら、綺麗な話だ。
なんて感動的な物語なんだ。


でも今の私の立場から見れば、どちらの気持ちも痛いほど分かる。

それでもやっぱりどちらかといえば、男の子の気持ちのほうが分かってしまうのが嫌だ。



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