65リットルよりも、笑って。




「間宮さん、救急患者のほうに呼び出しです」


「わかりました、すぐに行きます。…なゆちゃん、結局私がなゆちゃんと一緒にケーキが食べたいだけよ?」



困ったように言って、間宮さんは足早に病室を出ていった。


残された私と、見慣れてきた研修医。


一昨日暴れてしまったとき、この男も主治医の隣にいた。

急に心が落ち着かなくなって、これ以上また私が私でなくなる前に布団にくるまる。



「…怖くなったのか」


「……ちがう。いやになった」


「…そうか」



なにが嫌なんだ───そう聞かれていたら、私はたぶん暴れていた。


こーいうところが嫌なの。

さっさと私に嫌気をさして出ていけばいいのに、今だって静かにそばにいてくれるでしょ。


副作用が嫌なわけじゃない、それが怖いわけでもない。

そうじゃない。
そうじゃなくって。



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