65リットルよりも、笑って。




「…蓮夜、いるだろ」


「……ああ、あのエロガキね」


「あの子は去年の夏頃からここの病院に入院してるんだ」


「…ガンなんでしょ?」



あんなに元気にしてたけど、わかるよ。

言葉にできない何かがあった。


たぶんそれは、私も周りから見られている目なんだろうな。



「急性骨髄性白血病。…進行も早く、がん化した細胞が骨髄に無制限に増える病気だ」



神様ってさ、選んでるのかな。

選んでいるとしたなら神様とは言えない。
そんなの神様じゃない。


あんなに生意気なエロガキだけど、悪いことなんか何もしてないじゃん。



「抗がん剤治療に手術、ドナー移植、血幹細胞移植、いろいろ頑張ってる。それでも蓮夜のがん細胞は強すぎて───」


「治るんだよね?」



もうごちゃごちゃいらないから。
私たちってさ、そんな時間もないの。


そんなふうにトロトロ説明されてる時間さえ、大切な大切な1秒なんだよ。


それだけが聞ければいい。

治るって、その一言。



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