65リットルよりも、笑って。
「ここって……」
保育園……?
病院のなかに保育園なんかあるの…?と、疑問が浮かんだ壁の絵や写真。
すぐにそこは小児科病棟なのだと察した。
すれ違う親だろう人間たちもちらほらと、私はそんなものに吸い込まれるように足を進めてみる。
「また針さして管(くだ)もたくさん通すの…?」
「うん」
「じゃあ、また向こうのガラスのお部屋に引っ越さなくちゃだめなの…?」
「…近いうちにはね。でも、みんなと会えないわけじゃないよ」
ひとつだけ、突き当たりの病室。
他の子供たちは寝静まっているだろう一室、わずかなドアの隙間から明かりが漏れていた。
つい私は気配を消しながら壁際に寄る。
「ううっ、あし…っ、足いたい…っ」
「今日は足を攻撃されちゃってるんだね。ママとパパも一緒に戦うから。蓮夜は正義のヒーロー、強くてカッコいいヒーロー」
「そうだぞ。悪の組織ダークマンなんか、蓮夜ならきっと倒せちゃうもんな」