65リットルよりも、笑って。
ファイバーレッドにはなれなくても、ファイバーイエローくらいにはなれるかな?
ほら、戦隊ヒーローって女性ヒーローも居るじゃんか。
やっぱり何事も大事なところでは華が大切なの、“花”、がね。
「ん?…なに?」
いじわるに笑いかけて部屋に戻ろうとした私の腕が、なぜかやさしく掴まれる。
「……ショートかロング、ミディアム。どれだ」
「え?」
「…次するなら、どんな髪型がいいんだ」
「……あのさー。それ、これからハゲ散らかる女の子に言うセリフ?嫌がらせ?」
「………悪い」
「……ふふっ」
もっとうまくやって欲しいよ。
男に大事なものはスマートさだって、よく聞かない?
でもこの男は他が悔しいくらいに完璧すぎるから、こんなところがあってもいい。
「まあ…、慣れてるしロングがいいかも?」
「……わかった」
「部屋まで送る」と、付け足して。
不器用に掴むチカラを加えてから、彼は瞳を伏せた───。


