傷心した私が一夜を共にしたのはエリート俺様同期~いつも言い合いばかりだったのに、独占欲強め、嫉妬心剥き出しな程に溺愛してくるのですが?~
「ちょっ! 一之瀬!? 何してるの……」
「何って、陽葵は俺のだって印付けてんだけど?」
「そ、そんな事したら、見えちゃう……」

 キスマークを付ける意味なんて聞くまでも無いのは分かってるし、しいて言えば付けられるのが嫌な訳でも無いのだけど、付ける場所が問題だと思う。

 首筋とか鎖骨に付けられると隠すのが大変だし、流石に人に見られたら恥ずかしいのに。

 そう思って一之瀬に抗議したのだけど、

「いや、そもそも隠したら意味ねぇじゃん。特に、館林(アイツ)に見せつけてやりてぇよ、陽葵は俺のだから、これ以上近付くなって」

 独占欲が強い一之瀬にはそんなの一切通じなかった。

 そればかりか、私のブラウスのボタンに手を掛けると無言で外した後でキャミソールとブラジャーを一緒に捲り上げ、

「――ッあ、んん、」

 今度は隠すものが無くなった胸の膨らみに口付けてくる。

 既にプックリと存在を露わにした胸の頂きを避けるように、周りを重点的に刺激してくる一之瀬。

「っや、もう、付けないでッ」

 そして、今度は両胸にもキスマークを付け始めてきた。

「嫌だ。寧ろ、もっと付けたい」
「だ、駄目だよ……」

 正直、一之瀬の独占欲や執着心には少しだけど、驚きと戸惑いがある。

 追いかけるより追われる恋がしたいって思ったけど、ここまでは想定外。

 一之瀬の事は好きなのに、一之瀬の気持ちの方が大き過ぎて、どうしていいか分からなくなる時がある。

「……い、一之瀬、お願いだから、キスマークは、もう……」

 見えない所だから何ヶ所に付けられても良い訳じゃないし、これ以上付けられても流石に困ると思った私が止めてと懇願すると、

「――つーかさ、何で陽葵は、二人きりになっても俺の事名前で呼んでくれねぇの? 仮の彼氏だから仕方ねぇけど……何かさ、俺ばっかりが陽葵を好きなの、少し悲しい……」

 聞き入れてくれたのは良かったのだけど、悲しげな表情を浮かべてそんな言葉を口にすると、落ち込み肩を落とした一之瀬が私の上から退いた。
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