天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
 学堂とは庶民(主に子供)が学問を教わる場所だ。

貧しい農民たちは、食べていくだけでやっとの状態だったので、子供に学問を教える余裕もなかった。

飢饉で村人全員が死にかけていたところを助けてやったのが私や亘々の持っていたお金なのに、村人たちは感謝するどころか迫害しているのだから始末に負えない。

「仕方ないわよ。私たちをかくまっていることが露呈したら、村ごと焼け放たれて皆殺しだもの」

 私は亘々から目を逸らして、自分に言い聞かせるように言った。

「村人たちの本音は、厄介者の私たちに出ていってほしいんでしょうね。飢饉であえいでいるのを救ったのに感謝の気持ちすら持たず、お金を搾り取るだけ絞り取って捨てようって魂胆ですね。なんて仁義のない奴らだ。尸鬼(しき)になるぞ」
< 11 / 247 >

この作品をシェア

pagetop