天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~
簒奪帝がいかに非道で残酷な人間であったかがわかる話だ。
後宮という場所は必要であるならば、縮小してなにか他のことに使える道はないだろうかと考え、見てまわった。
八年前とはずいぶん変わっている印象だった。建物も多く、たくさんの後宮妃が入内してきたのだろう。綺麗にはなっているが、所々焼け焦げた跡がある。
「この焼け跡は八年前のもの?」
私は歩きながら聞いた。
八年前に後宮に火をつけたのは雲朔だ。私が逃げたことをわからなくするためと、女人の死体を劉辱する輩もいるために燃やした。真眩鏡にその様子は映し出されていたので知っている。
「いいえ、あの大火事のあと、大規模な後宮再編が行われました。新しい殿舎が次々と建ち、絢爛豪華で栄華を極めたような後宮でした。妃や女官も大勢おり、簒奪帝は美女たちと酒池肉林の毎日を過ごされていました」
想像しただけで吐き気がする。自らの私利私欲のために大勢を殺した簒奪帝。
死んだ今でも憎しみは消えない。
後宮という場所は必要であるならば、縮小してなにか他のことに使える道はないだろうかと考え、見てまわった。
八年前とはずいぶん変わっている印象だった。建物も多く、たくさんの後宮妃が入内してきたのだろう。綺麗にはなっているが、所々焼け焦げた跡がある。
「この焼け跡は八年前のもの?」
私は歩きながら聞いた。
八年前に後宮に火をつけたのは雲朔だ。私が逃げたことをわからなくするためと、女人の死体を劉辱する輩もいるために燃やした。真眩鏡にその様子は映し出されていたので知っている。
「いいえ、あの大火事のあと、大規模な後宮再編が行われました。新しい殿舎が次々と建ち、絢爛豪華で栄華を極めたような後宮でした。妃や女官も大勢おり、簒奪帝は美女たちと酒池肉林の毎日を過ごされていました」
想像しただけで吐き気がする。自らの私利私欲のために大勢を殺した簒奪帝。
死んだ今でも憎しみは消えない。