教授の恋愛
舞岡さんも小野さんも勉強をちゃんとやってるが、時々こそこそと何か話している。


その度に俺は耳をすました。


でも…二人の会話を盗み聞きして、聞かなければよかったと思った。


舞岡さんが小野さんに相談していたことは…俺が聞きたくないことだった…。



「ねぇねぇ…好きな人できちゃった…」



泣いてもいいか?

子供みたいに…泣きわめいてもいいか…?

聞くんじゃなかった…。

耳をすますんじゃなかった…。

ただ自分の行いを悔やむしかなかった。



この日、恋に悩む舞岡さんが俺に話しかけることは一切なかった。
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