君がくれた涙はきっと光となる
「すぐ謝らない!それにクラスメイトなんだから敬語も禁止!わかった!?」


「は…じゃなくて、うん…」



永野さんは満足そうにふんっと言ってそっぽを向いた。





「小雪、おかえ…」



叔父さんはこの前と同じように私の後ろの三人を見てぽかーんと固まっていた。



「あ、同じクラスの間宮くんと永野さん。あとこの前の流川くん。ちょっと端っこの席借りてもいいかな…?勉強がしたくて…」



叔父さんはハッとしたように我に返ると、首をぶんぶん縦に振った。



「あ、ああ、いいよ全然…。驚いたな、小雪がクラスメイトを連れてくるなんて…」


「この前のオリエンテーションで仲良くなったんです。小雪ちゃんとはもう友達みたいなものです」


「そうそう!料理めっちゃうまいし!」



“友達”という単語に、驚いて永野さんを振り向く。


嬉しかった。他の誰でもない永野さんにそう思ってもらっていたことが嬉しかった。



「鳴海さんのお父さんって随分と若いのね。いくつなの?」



奥の四人がけ席に座り、鞄から勉強道具を取り出していると永野さんがふと聞いてきた。
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