奮闘記などと呼ばない (王道外れた異世界転生)
特に、超難関の問題が目の前に投げられてしまうと、それで尻込みしてしまうよりも、挑発されて、更にやる気が上がって来る方なのだ。
絶対に、ぎゃふんと言わせてやるぞ、なんて。
負けず嫌い――とは言えるかも?
この世界、魔法もなければ魔術もない。奇跡なんて、起こらない。
それなら、自分の持っている能力をふんだんに使って、生き抜いて行くしかないじゃないでしょう?
最後まで生き延びる為に。
ゴール#1:婚約解消でクソガキを叩き潰す
目標1:侯爵家の現状把握
課題1:もっと正確な情報が必要
• 情報収集の人員確保
目標2:味方と持ち札を増やすこと
課題1:もっと『セシル』が動ける範囲を広げること(見分を広げる、に似たような)
• 『セシル』 個人の信頼できる護衛増加。これで、ある程度は、外を自由に動けることができる
• 『セシル』 の手足となって動ける人材確保。結構、色々なスキルが必要になって来る
• セシルに決定権や権限が必要。誰かの枠にはめられたままだったり、制限が課せられたりしていたら、身動き一つできなくなってしまう
• 乗馬の訓練
目標3:婚約契約書の成立
課題1:もっと貴族内の婚約条件の知識を高めること
• 王国内の律令を学ぶ。特に、婚約・結婚に関して
• 貴族制を学ぶ
• 罰金制度を学ぶ
課題2:婚約契約書にホルメン侯爵の同意
• 同意させる為に、ホルメン侯爵家に優位な条件や状況を探す
• 『セシル』 の策略を疑わせず、同意書にサインさせる
ゴール#2:生きる環境作り
目標1:生きる為には“生活維持”が必須。生活安定は、まだまだ先
課題1:“必要最低限”のリストを作る
課題2:領地の現状把握、そして、プランニング(優先順位に、実施範囲の決定に、ロードマップかしらね)
課題3:もっと食糧の生産量を上げる
• 専門家のアドバイスが必要
• 労働力の増加
課題4:食料維持を継続する
• 専門家のアドバイスが必要
• 専門技術の向上
課題5:生活水準を上げる
• 最低限の教育を施す(せめて、読み書きと、初歩の計算ができるように)
課題6:おいしいものを食べられるようになる(これは、『セシル』 にとって必須!)
課題7:………………
「まだまだあるわね……」
ゴールに、当座の目標、それにおける課題やらなんやらと羅列し終え、紙に写し終えた『セシル』 は、そこで一息をついていた。
ここで、“王道”の異世界小説や漫画なら、これから起こり得るイベントやら問題やらを書き残し、書き写し、その“預言書”とも呼べる記録を元に、断罪などを回避していくのだろう。
だが、『セシル』 はそんなことをしなかった。
大体、この世界では異物である『セシル』 が、異世界転生させられたこと自体で、すでに、話の流れが変わってしまっている。すでに、本通りのシナリオではなくなってしまっている。
そんな状況下、これから起こる現象や状況が、全て本通りに運ぶなど、『セシル』 はこれっぽっちも考えていない。
強制力?
それがどうした。
問題が起きれば、その時になって、解決策や対抗策を考えればいいだけで、起きてもいない問題を心配して策を立てようが、そんなもの、全然、役には立たない。
その時の状況によって対応策だって違ってくるだろうし、その時にならなければ、解決策だって浮かんでこないはずだ。
知りもしない、起こってもみない未来を想像して、今から焦っていても、それこそ、何の問題解決にもならない。
それよりも、今この場で、明確に、なさなければならない課題があるのだから、まずは、そっちに重点を置き、問題に取り掛かっていかなければならないだろう。
個人的に、無駄は好きではない。
時間の無駄。お金の無駄。労力の無駄。色々だ。
だから、知らないことに気を揉んで、悩んで心配するなど、『セシル』 の性格ではないのだ。
ある程度、自由に動け、『セシル』の自由ができて、制限されず、貴族制にも捕らわれず、『セシル』 が決定権を持てる権威や権力、そして、『セシル』が望む生活維持を勧められる環境?
「うーん……、領主、とか……?」
なぜか、その結論に達してしまった。
貴族の令嬢だろうと、誰かの命令に従わなければならないのなら、『セシル』 の将来は先が知れている。先が見えている。
そんな窮屈で、くだらない世界で生きて行くなど、『セシル』の生を無駄にしてしまうような気がしてならない。
そうなると、『セシル』 自身が、自由に動かせることができる場所が必要になってくる。環境が必要になってくる。
「やっぱり、領主、かしらね……」
でも、領主なんて、前世(なのか現世) で行ったら、村長? 町長? 市長?
まあ、このコトレアは、“村”という部類に入るのだろうが、はっきり言って、今の生活水準を考えれば、ただの農家の集まりで、“村”にでさえ区分されないだろう。
それでも、その土地に住んでいる民の生活と命は、治めている人間の裁断一つで決まってしまう。決められてしまう。
「うわぁ……、重そうな役割よね……」
ただ単に、会社内のチームリーダーをしているポジションとは、全く違う。係長や課長になるのとも訳が違う。
人一人の命が懸かっているのだから。
責任重大だ。
でも――今の『セシル』 には、他に方法がないように思える。
「重い責任って、嫌だわぁ……。でも、方法がないわよね、結局は」
仕方がない。
『セシル』 の安寧の為、生きて行く為、この道を進んで行くしか他はない。
そうなると、明日、父のリチャードソンの説得が第一になってくる。もう少し、ちゃんとした報告書を書き直し、明日、リチャードソンの説得を試みるべし。
「まず、領地開発をして、多少は現状を改善しなくちゃ、もう、ストレス過多で死んでしまいそうよ!」
それで、意欲が湧いて、その夜、『セシル』 は父親を説得する為のプレゼン(もどき) の報告書を書き上げていたのだった。
絶対に、ぎゃふんと言わせてやるぞ、なんて。
負けず嫌い――とは言えるかも?
この世界、魔法もなければ魔術もない。奇跡なんて、起こらない。
それなら、自分の持っている能力をふんだんに使って、生き抜いて行くしかないじゃないでしょう?
最後まで生き延びる為に。
ゴール#1:婚約解消でクソガキを叩き潰す
目標1:侯爵家の現状把握
課題1:もっと正確な情報が必要
• 情報収集の人員確保
目標2:味方と持ち札を増やすこと
課題1:もっと『セシル』が動ける範囲を広げること(見分を広げる、に似たような)
• 『セシル』 個人の信頼できる護衛増加。これで、ある程度は、外を自由に動けることができる
• 『セシル』 の手足となって動ける人材確保。結構、色々なスキルが必要になって来る
• セシルに決定権や権限が必要。誰かの枠にはめられたままだったり、制限が課せられたりしていたら、身動き一つできなくなってしまう
• 乗馬の訓練
目標3:婚約契約書の成立
課題1:もっと貴族内の婚約条件の知識を高めること
• 王国内の律令を学ぶ。特に、婚約・結婚に関して
• 貴族制を学ぶ
• 罰金制度を学ぶ
課題2:婚約契約書にホルメン侯爵の同意
• 同意させる為に、ホルメン侯爵家に優位な条件や状況を探す
• 『セシル』 の策略を疑わせず、同意書にサインさせる
ゴール#2:生きる環境作り
目標1:生きる為には“生活維持”が必須。生活安定は、まだまだ先
課題1:“必要最低限”のリストを作る
課題2:領地の現状把握、そして、プランニング(優先順位に、実施範囲の決定に、ロードマップかしらね)
課題3:もっと食糧の生産量を上げる
• 専門家のアドバイスが必要
• 労働力の増加
課題4:食料維持を継続する
• 専門家のアドバイスが必要
• 専門技術の向上
課題5:生活水準を上げる
• 最低限の教育を施す(せめて、読み書きと、初歩の計算ができるように)
課題6:おいしいものを食べられるようになる(これは、『セシル』 にとって必須!)
課題7:………………
「まだまだあるわね……」
ゴールに、当座の目標、それにおける課題やらなんやらと羅列し終え、紙に写し終えた『セシル』 は、そこで一息をついていた。
ここで、“王道”の異世界小説や漫画なら、これから起こり得るイベントやら問題やらを書き残し、書き写し、その“預言書”とも呼べる記録を元に、断罪などを回避していくのだろう。
だが、『セシル』 はそんなことをしなかった。
大体、この世界では異物である『セシル』 が、異世界転生させられたこと自体で、すでに、話の流れが変わってしまっている。すでに、本通りのシナリオではなくなってしまっている。
そんな状況下、これから起こる現象や状況が、全て本通りに運ぶなど、『セシル』 はこれっぽっちも考えていない。
強制力?
それがどうした。
問題が起きれば、その時になって、解決策や対抗策を考えればいいだけで、起きてもいない問題を心配して策を立てようが、そんなもの、全然、役には立たない。
その時の状況によって対応策だって違ってくるだろうし、その時にならなければ、解決策だって浮かんでこないはずだ。
知りもしない、起こってもみない未来を想像して、今から焦っていても、それこそ、何の問題解決にもならない。
それよりも、今この場で、明確に、なさなければならない課題があるのだから、まずは、そっちに重点を置き、問題に取り掛かっていかなければならないだろう。
個人的に、無駄は好きではない。
時間の無駄。お金の無駄。労力の無駄。色々だ。
だから、知らないことに気を揉んで、悩んで心配するなど、『セシル』 の性格ではないのだ。
ある程度、自由に動け、『セシル』の自由ができて、制限されず、貴族制にも捕らわれず、『セシル』 が決定権を持てる権威や権力、そして、『セシル』が望む生活維持を勧められる環境?
「うーん……、領主、とか……?」
なぜか、その結論に達してしまった。
貴族の令嬢だろうと、誰かの命令に従わなければならないのなら、『セシル』 の将来は先が知れている。先が見えている。
そんな窮屈で、くだらない世界で生きて行くなど、『セシル』の生を無駄にしてしまうような気がしてならない。
そうなると、『セシル』 自身が、自由に動かせることができる場所が必要になってくる。環境が必要になってくる。
「やっぱり、領主、かしらね……」
でも、領主なんて、前世(なのか現世) で行ったら、村長? 町長? 市長?
まあ、このコトレアは、“村”という部類に入るのだろうが、はっきり言って、今の生活水準を考えれば、ただの農家の集まりで、“村”にでさえ区分されないだろう。
それでも、その土地に住んでいる民の生活と命は、治めている人間の裁断一つで決まってしまう。決められてしまう。
「うわぁ……、重そうな役割よね……」
ただ単に、会社内のチームリーダーをしているポジションとは、全く違う。係長や課長になるのとも訳が違う。
人一人の命が懸かっているのだから。
責任重大だ。
でも――今の『セシル』 には、他に方法がないように思える。
「重い責任って、嫌だわぁ……。でも、方法がないわよね、結局は」
仕方がない。
『セシル』 の安寧の為、生きて行く為、この道を進んで行くしか他はない。
そうなると、明日、父のリチャードソンの説得が第一になってくる。もう少し、ちゃんとした報告書を書き直し、明日、リチャードソンの説得を試みるべし。
「まず、領地開発をして、多少は現状を改善しなくちゃ、もう、ストレス過多で死んでしまいそうよ!」
それで、意欲が湧いて、その夜、『セシル』 は父親を説得する為のプレゼン(もどき) の報告書を書き上げていたのだった。