学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。
壊れる
「うう~!!りっちゃんこの坂やだっ!むりぃぃぃーーー!!」
「じゃあ遠回りする?そっちも日陰なくてキツいと思うけど」
「それもやーーーだーーー!!」
「…チッ。めんどくせーな」
「ひぃぃぃ怒らないでえええっ」
入学したての頃は、この坂道さえ高校生になった証だとか何とか言って張り切ってたくせに。
そんな意思も覆るほど、夏という地獄の炎天下。
つーかこうしてる時間のほうが暑いだろ。
「なぁんで夏休みなのに学校に来なくちゃいけないのーーー!」
「期末で赤点取ったからじゃない?おまえが」
「うっ……、…それはりっちゃんにも申し訳ない…」
「…いーよ私は。どーせ暇だったし」
夏休み前の期末テストで赤点を取ってしまったのは真琴のみ。
5日間にかけて行われる補習。
今日は3日目。
私はとくに補習がある生徒ではないのだけど、初日から参加している私を目にするたびに教師たちは化け物を前にしたような顔を向けてくる。