学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。




「ったく…。ほら真琴、これ持って」


「えっ…?」


「ここで力尽きて遅刻して補習が長引くのだけは回避したい」



真琴にリュックを預けて、しゃがんだ私。

もちろん「背中に乗って」の合図で、言われた本人は驚いていた。



「じょ、じょーだんだよりっちゃん!わたし歩くっ!そんなのしたらりっちゃんが倒れちゃうもん…!」


「……上鷹先輩だったらしてもらってた?」


「へ?」


「…ちょっとおんぶしてみたいだけだよ。いけるかなって、どう思う?」



雰囲気をガラリと変えて、女同士のノリってやつ。

「無理だったらソッコー落とす」と保険をかけるだけで、真琴なんかはすぐさま騙されてはしゃぎ出すんだからチョロい。



「わあっ!うそっ、いけるーー!?」


「…なにがなんでも行く」


「うひゃー!りっちゃんかっこい~!!」



私がそのまま坂を登り始めるとは思っていなかったらしく、心配しつつも背中に乗った真琴は楽しそう。



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