君と二度目の恋に落ちたら
悶々と考えながら歩いていると、自販機のすぐそばまでたどり着いていた。角を曲がれば、そこには自販機がある。
来る途中、前野くんの後ろ姿も戻る姿も見かけることはなかった。ということはまだ来ていないのだろうか…なんて考えながら、少し気を抜いて曲がると自販機のところに男子生徒がいるのが見えた。その人は自販機の前で缶コーヒーを飲みながら立っていた。
さっき時間調整なんてしてもよいのかと悶々と考えていたが、そんなことがどうでもいいと思うくらいに私の気持ちは高揚した。
缶から口を離した彼がこちらを見た。それは間違いなく前野くんだった。
「あ、どうも」
彼は私から少し視線を外して挨拶をした。その表情が私には可愛く見えた。
「お疲れ様です」
私も真っすぐに前野くんの目を見て挨拶をすることはできなかった。照れが勝ってしまったのだ。
私はお財布から小銭を取り出し、いつものミルクティーを買った。その場でコーヒーを飲んでいるが、私もここでミルクティーを開栓してしまってもよいだろうか…などと考えあぐねていると前野くんが口を開いた。
「さっき、急に自販機に来るかなんて聞いてすみませんでした…」
「え?そんな、謝ることじゃないですよ」
前野くんは恥ずかしそうに頭を少し搔きながら「何か言おうとしたら、出てきたのが自販機のことで…」と言った。
彼も私と同じように何か話そうとしていたのだ。私も自分から言い出すならきっと自販機のことを言っていただろうと思う。
私はミルクティーの蓋を開栓しながら小さく笑った。すると前野くんも少し笑った。
来る途中、前野くんの後ろ姿も戻る姿も見かけることはなかった。ということはまだ来ていないのだろうか…なんて考えながら、少し気を抜いて曲がると自販機のところに男子生徒がいるのが見えた。その人は自販機の前で缶コーヒーを飲みながら立っていた。
さっき時間調整なんてしてもよいのかと悶々と考えていたが、そんなことがどうでもいいと思うくらいに私の気持ちは高揚した。
缶から口を離した彼がこちらを見た。それは間違いなく前野くんだった。
「あ、どうも」
彼は私から少し視線を外して挨拶をした。その表情が私には可愛く見えた。
「お疲れ様です」
私も真っすぐに前野くんの目を見て挨拶をすることはできなかった。照れが勝ってしまったのだ。
私はお財布から小銭を取り出し、いつものミルクティーを買った。その場でコーヒーを飲んでいるが、私もここでミルクティーを開栓してしまってもよいだろうか…などと考えあぐねていると前野くんが口を開いた。
「さっき、急に自販機に来るかなんて聞いてすみませんでした…」
「え?そんな、謝ることじゃないですよ」
前野くんは恥ずかしそうに頭を少し搔きながら「何か言おうとしたら、出てきたのが自販機のことで…」と言った。
彼も私と同じように何か話そうとしていたのだ。私も自分から言い出すならきっと自販機のことを言っていただろうと思う。
私はミルクティーの蓋を開栓しながら小さく笑った。すると前野くんも少し笑った。