君と二度目の恋に落ちたら
その後すぐに私たちはそれぞれ教室に戻り、私はもかに先ほどのやりとりについて報告した。

「何それ、もうそれで好き同士じゃなかったら一体何だっていうの!?」

「ちょっと声大きい…!」

もかが興奮のあまり大きな声を出したので、私は慌てて注意をする。ごめんごめんと謝りながらも、もかの顔はニマニマとしていた。

「けどさ、今日も聞けなかった…連絡先…」

「なぁんでよ…!」

お互いがスマホを取り出し、スケジュールを確認した時に本当は連絡先を聞こう聞こうと意気込んだが、踏ん切りがつかずに結局聞けずじまいに終わってしまったのだ。

「文化祭の準備の時に会う約束したって、いうて夏休みだから会える機会は少なくなっちゃうんだよ!?」

「そうなんだけどさ~…」

私は頼りない声でもごもごと言い訳の言葉を並べたが、要は勇気が出なかった、これに尽きる。

「金曜日の昼休みがラストチャンスだからね」

今週の金曜日は終業式だ。5限目まで通常どおりの授業が行われ、その後終業式があるらしいので、夏休み前最後の昼休みとなるこの日に連絡先を交換したいところである。

しかし、頭の中ではわかっていたはずなのに、私は金曜日もまた連絡先を聞きだせずに終わってしまったのだった。もかに怒られたのは言うまでもない。
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