君と二度目の恋に落ちたら
父が亡くなった次の日、私は文化祭のシンデレラの役を降りることを脚本担当の子に申し出た。申し訳ない気持ちもあったが、とても今の自分には練習に参加できる気がしなかった。
私の申し出はすんなりと受け入れられ、「無理しないでね」と労りの言葉もかけてくれた。
事故があった日にクラスのメッセージグループに送られていた衣装のデザイン案の画像を見た。とてもキラキラした衣装で、変わらずみんなと劇を作り上げられたらどんなによかったかと思うと涙が出た。
もかは部活と文化祭準備で忙しいだろうに、ほぼ毎日のように私の家に来てそばにいてくれた。それはすごく心強く、嬉しかった。
母は時折、泣いていたが私と同じように事故を起こした相手や会社を許せないという気持ちを強く持ち、裁判に向けて準備を進めていた。
だけど、そんなある日、弁護士から母に電話がかかってきた。
私はその場に居合わせ、その様子を聞いていたのだが母は弁護士からの話を聞いて表情を強張らせた。
「会社は過重労働を認めないですって…?」
トラック運転手は会社からの過重労働がきっかけの居眠り運転だと主張していたのだが、その会社はそのような事実はないと言ってきているらしい。
私は怒りの感情を覚えた。
理不尽に父の命を奪っておきながら、自分たちに非はないと主張するなんて、どこまで卑怯な奴らなのだろうか。
母が弁護士事務所へ出向き、家でひとりぼっちになった私は怒りと悲しみの感情が抑えられず、なんとか気を紛らわせようと家の外に出ることにした。
行く先に予定はなかった。ただ、ひたすらに町を歩き彷徨った。
私の申し出はすんなりと受け入れられ、「無理しないでね」と労りの言葉もかけてくれた。
事故があった日にクラスのメッセージグループに送られていた衣装のデザイン案の画像を見た。とてもキラキラした衣装で、変わらずみんなと劇を作り上げられたらどんなによかったかと思うと涙が出た。
もかは部活と文化祭準備で忙しいだろうに、ほぼ毎日のように私の家に来てそばにいてくれた。それはすごく心強く、嬉しかった。
母は時折、泣いていたが私と同じように事故を起こした相手や会社を許せないという気持ちを強く持ち、裁判に向けて準備を進めていた。
だけど、そんなある日、弁護士から母に電話がかかってきた。
私はその場に居合わせ、その様子を聞いていたのだが母は弁護士からの話を聞いて表情を強張らせた。
「会社は過重労働を認めないですって…?」
トラック運転手は会社からの過重労働がきっかけの居眠り運転だと主張していたのだが、その会社はそのような事実はないと言ってきているらしい。
私は怒りの感情を覚えた。
理不尽に父の命を奪っておきながら、自分たちに非はないと主張するなんて、どこまで卑怯な奴らなのだろうか。
母が弁護士事務所へ出向き、家でひとりぼっちになった私は怒りと悲しみの感情が抑えられず、なんとか気を紛らわせようと家の外に出ることにした。
行く先に予定はなかった。ただ、ひたすらに町を歩き彷徨った。