彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「うははは!凛、凛、りーん!けっきょく高野舟槙(しゅうま)からのLINE、シカトしとるんかー?」
「返事を返してないと言って下さい。無視してるつもりはないです。ただ、返事を出す気分にならないだけです。」
「うははは!そりゃそうやな!いじめ!セクハラ!ストーカー!レイプ未遂犯なんぞとの接触、わしでも極力さけたいわ!せやからわしな、ホンマは、凛を1人でいかせるのも気に入らへんねん!」
「そうですね・・・瑞希お兄ちゃんとの約束を破ることになりますからね・・・。」
「それでも会うのは、悪事を辞めろ&被害者に謝れ!言うのが目的なだけやないやろうー!?確実に瑞希はんに近づかんように釘さすためやろう!?」
「・・・よくわかりましたね。」
「ツレやからな。」







静かにしゃべるヤマトに気まずくなる。
こういう時は、だいたいヤマトは本気で心配してる時だってわかるから。







「凛。」
「・・・なんですか?」
「ヤバくなったら連絡せーよ。」
「しますよ。」
「やっぱ、わし、凛を尾行するわ。」
「・・・許可できない。」
「犯罪者とのケンカ別れを狙ってるから、1対1の方がええんか?」







その言葉にドキッとする。







(こういう時だけ勘が鋭いんだから・・・)

「・・・察しがいいな、特攻隊長。」
「せやろ?」







図星だと告白すれば、普段よりも静かな口調でヤマトはしゃべる。







「おそらく高野舟槙(こうや しゅうま)は、悪事の数々の件は誤魔化す。さらに言えば、自分のじいさんとババアとその一族の悪事を凛から暴露されても信じへんやろう。信じんどころか、凛にキレてかかる可能性が高い。けど、その場にわしがいたら、怒るのを我慢する確率が高い。凛はそう考えとるんやろう?」







サングラスをずらし、その隙間から目をのぞかせながら確認してくる関西男子。









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