彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)







「うははは!縄張り関係なしに動くなんて漢やなぁ~!?高野舟槙(こうや しゅうま)とは、奴の犯罪の件だけ話すんかー!?」
「いや、ついでに自分の大伯母と祖父一族が何をしてきたのか教える。教えた上で、俺と真田瑞希様を諦めるように命令する。」
「うははは!わざわざ、汚れ役をするわけかい!?」
「隠し事は、いつかはバレるもんだろう?」
「うははは!凛は人が良いのぉ~!ホンマにわし、こっそりついて行かんでええんかー!?」
「会うのは俺1人という約束だ。」
「うははは!律儀やなぁ~!真面目やなぁ~!自分!?悪人に誠意を尽くしてもこっちが損するだけやでー!?」
「損得勘定の問題じゃない。卑怯な連中に、筋通して勝つのが『漢』ってもんだろう?」
「うははは!幽遊白書の桑原和真かーい♪そりゃあ、ごもっとも!凛が勝つように、武運を祈ってるで!ほな、そろそろ行こか!?」
「ああ、東山までの送迎頼むぜ。」
「うははは!任せとき!!」







それでヤマトの部屋から出る私達。
ヤマトの部屋を出て、エレベーターで地下の駐車場まで下りて、ヤマトの単車の後ろに乗る。
いつもと変わらぬ安全運転で単車は発車し、見慣れた道を走り抜けていく。
ヤマトの肩に手を置きながら、危険人物用の携帯画面を見る。





(この調子なら、約束の時間に間に合いそうね・・・・・)





高野舟槙(こうや しゅうま)から待ち合わせ時間を知らせるLINE時、返事を送らなかった。
そしてら、同じ文面のものが追加で2つきた。







(返信した方がよかったのかもしれないけど、こっちの電話を無視した相手に誠意を見せるのは不公平な気がする・・・。)

なによりも――――――――――

(クソ犯罪者とまじめにやり取るするなんてざ、気持ちわりぃんだよ)







そんな思いもあって、わざと既読スルーをした。









< 461 / 586 >

この作品をシェア

pagetop