彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)








「騙されるのも無理ないぐらい狡猾だから、疑う心を常に持たなければならないんだよ。」
「そうなんですか・・・。」
「さすが凛先輩!!カッコイイー!!」
「うははは!せやけど、これで諦める年寄りちゃうやろうー!?相手は凛と瑞希はんの臓器がどうしても欲しいんやからなぁ~!」

「「臓器!?」」

「ヤマト!!」








関西男子の言葉に、声をそろえてギョッとする涼子ちゃんと雷太。








「凛君!!臓器ってどういうことですか!?」
「臓器って、身体目当てなんすか!?凛先輩の臓器を、今のババアは狙ってるんすか!?」
「えーと、あのね~」
「うははは!そやでー!!悪いやつなんやでぇ―!!」
「ちょっと、ヤマト!!2人に、心配かけさせるようなことを言わないで下さい!!」
「つまり、事実ということなんだね、蓮君?」
「う・・・そ、そうです・・・。」








シゲ先生の言葉に、正直に答えた時だった。





ブーン、ブーン、ブーン♪





再びスマホが鳴った。
表示を見てため息が漏れる。








「うははは!今度は誰やー!?」
「・・・表示は、『檜扇達比古』だよ。」
「うははは!今度は、ゲテモノ食いのじーさんかいな!?」
「いやだなぁ~・・・ハムスター食べるから、大嫌いなんだよな~あの人・・・。おまけに、女好きだし・・・。」
「じゃあシカトしますか、凛先輩!?」
「嫌なら、出なくても良いと思うよ、凛君!」
「そうしたいですが、それしちゃうと、嫌な思いを先延ばしするだけだからね~・・・。」
嬉しい意見を言ってくれる2人にそう告げて、超嫌々な気分で画面をタッチした。
「もしもし?」








自覚できるぐらい、疲れた声だったと思う。
そんな私の耳が、キーンとなった。








〈蓮!!!愛息子よー!!!〉








相手の大声によって。
この声は――――――








(檜扇二三人!!?)

今度は女ったらしのカスかよこの野郎っ!!








〔★天敵からの電話だった★〕









< 536 / 854 >

この作品をシェア

pagetop