彼は高嶺のヤンキー様10(元ヤン)



「じゃあ凛先輩!お背お流しします♪」
「え!?何言ってるの、雷太!?一緒に入りませんよ?」
「え!?じゃ、じゃあ!お背中を流す時だけ、入って出ていきますから!」
「いや、そんなサービスいらないよ。1人にしてほしい。」
「1人にできないっすよ!風呂場で転倒したらどうするんですか!?」
「そこまでうっかりさんでも、お年寄りでもないよ!?」
「頭も洗いますから!!」
「いりません!!1人で出来るから大丈夫です!!」

(そんなことされたら、女子だってバレる!!)

「絶対に、入って来ないで下さい!!1人きりにして下さい!!」
「う・・・お、俺、良かれと思って言ったんすけど、迷惑だったすか・・・?」
「え。」



シュンとうなだれる高身長の雷太に、かわいそうな気持ちになる。
しょぼくれた大型犬の子犬のようで・・・罪悪感を覚えてしまう。





(だからと言って、混浴は断固拒否!!!)





なので、出来るだけ優しい言葉をかけた。



「雷太の気持ちは嬉しいよ。だけど、お風呂の時間はリラックスしたいから、1人にしてほしいんだ。わかってくれるね?」
「・・・うっす。わかりました。」



ショボーンとして答えると、のろのろと私から離れる雷太。





(悪いね、雷太。同情すれば、身の破滅。現在妄想中の瑞希お兄ちゃんへの最高の告白シーンが決まるまでは、女子とバレるわけにはいかんのだよ。)





〔★凛は告白のシュチュエーション選びで、迷っていた★〕



私の言葉に雷太がうなずき、これでこの問題は解決したと思ったがそうもいかなかった。



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